ビットパターンとは?

ビットパターンとは、2進数(0と1)の組み合わせによりどれだけのパターンを表せるかを示すもの。例えば、2桁の2進数(=2ビット)であれば、00・01・10・11の4パターン(=2の2乗)を表すことができる。

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ビットパターンの具体的なイメージ

コンピュータの世界ではすべての情報は0と1の2進数で構成されています。この、0と1の組み合わせをビットと呼びます。コンピュータの内部はすべてこの0と1の組み合わせで処理が行われており、どんなに複雑な画像や動画、文字列などもすべてビットの組み合わせから作られています。

それでは、例えば10×10の大きさの白黒画像を扱うにはどれだけの2進数を用意すればよいのでしょうか。10×10の画像は、100個のドットから構成されており、それらすべてが白か黒かのデータを持っています。この場合、100のパターンを扱えるだけの2進数が必要です。

2進数が4個あれば、2の4乗の16パターンのデータが扱えます。これではまだ足りませんね。2進数が6個では?2の6乗の64パターンとなります。もう少しデータが必要です。2進数が7個で2の7乗の128パターンが扱えますね。よって、10×10の白黒画像を扱うためには、2進数が7個必要であることが分かります。つまり、7ビット必要ということです。これが、ビットパターンの具体的な用途です。

ビットパターンの具体例

コンピュータの世界では、ある程度用いられるビットパターンが決まっています。以下では、主要なビットパターンをご紹介します。

例1:英数字

英数字は8ビット = 256通りのビットパターンで表します。例えば、「A」という文字は「00101001」ですし、「9」という数字は「00111101」となります。なお、この英数字1文字を扱える8ビットを、「1バイト」と呼びます。皆さんが普段利用している1バイトの由来はこんなところにあるんですね。

例2:日本語

日本語を表記するためには、ひらがなやカタカナ、漢字など様々な文字を利用しなければならず、英語よりも多くのパターンが必要です。過去は日本語専用の文字コードが存在したりしましたが、現代ではユニコードと呼ばれる世界共通のコード体系を利用するのが一般的となりました。

良く用いられるのが、UTF-8と呼ばれる最大21ビットで文字を表す手法です。21ビットということは、2の21乗=2097152ものビットパターンで文字を表すことができます。UTF-8では、この豊富な表現力によって英語以外にアラビア文字やタイ語、ギリシャ語など様々な言語を表記することができます。

例3:色

色を表す方法には様々な種類がありますが、よく利用されるのが色の三原色である赤・緑・青にそれぞれ8ビット(=256パターン)ずつ、合計24ビットを用いる方法です。よく、色の表し方で(255,128,0)のような形式を見ると思いますが、これが24ビットで色を表す方法です。

24ビットを用いることで、24ビット = 16,777,216通りの色のパターンを表すことができます。例えば、「赤」の色を表す場合は赤・緑・青を「255(11111111)・0(00000000・0(00000000)」で表しますし、「黄色」であれば赤と緑を混ぜた色である「255(11111111)・255(11111111)・0(00000000)」で表します。

例4:IPアドレス

インターネットにおけるコンピュータの住所情報となるIPアドレスは、32ビット = 4,294,967,296通りのビットパターンで表されています。世界中にたくさんのコンピュータが存在しているため、これだけの膨大な数のビットパターンであっても、IPアドレスの枯渇が課題となっています。

このような背景から、近年ではIPv6と呼ばれる128ビットでIPアドレスを表す新たな形式への移行が進んでいます。128ビットは、具体的には1兆×1兆×1兆というオーダーのビットパターンとなることから、まず枯渇する心配はありません。

まとめ

この記事では、ビットパターンについて解説しました。

ビットパターンとは「2進数(0と1)の組み合わせによりどれだけのパターンを表せるか」を示すものです。ビットパターンの考え方は、意外と身近なところでも利用されていることがお判りいただけたでしょうか。

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この記事を書いた人

IT専門ライター

略歴
・1987年 埼玉県生まれ
・東京大学工学部を卒業後、東京大学大学院へ進学(専門:人工知能)
・在学中、ベンチャー企業にてエンジニアとして勤務
・卒業後、シンクタンクでレポーティングやITコンサル業務に従事
・2017年からはエネルギー企業にてDXの企画・推進、PMO等を担当
・現職に加えて、2020年よりIT専門ライターとして本格的に活動開始
・趣味はスノーボード、ゴルフ、戦略ゲーム、漫画など

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